[00:00.00]花の異香(いきょう) 葡萄染(えびぞめ)の [00:04.33]袂 夜に咲いて [00:10.83] [00:22.63]悴んだ薄唇(うすくちびる) [00:27.20]塞ぎ乍ら襖を開いた [00:31.88] [00:32.37]行燈(あんどう)が照らす白い頬には [00:37.29]密かの涙 滲みて色付く [00:42.33] [00:43.66]あはれ舞い散る 夜に揺り上(あ)ぐ [00:47.21]春を泳いで想ひ出す [00:51.98] [00:52.35]あなたの横顔 [00:53.95] [00:54.31]あなただけを あなただけを [00:56.86]幾年(いくとせ)ずっと 枯れてなお [01:00.52]散ってなお 想ひ続けよう [01:03.92] [01:04.25]ずっとずっとあなただけを [01:06.75]待ち続け乍ら [01:08.90] [01:09.17]今日もまた指切り眠る [01:11.77]花の様に [01:14.33] [01:24.14]簪(かんざし)の黄金縁(こがねぶち)が [01:28.78]剥がれる程永い淋しさに [01:33.49] [01:33.89]ひとりきり恋忘れ(こいわすれ)の籠にて [01:38.85]破いて花笑(え)む化粧(けわ)う一枚(ひとひら) [01:43.63] [01:45.11]あはれ舞い散る 夜に揺り上ぐ [01:48.78]春を憂いで蘇る [01:53.39] [01:53.80]あなたのぬくもり [01:55.63] [01:55.97]あなただけを思ひ続け [01:58.44]どれだけずっと 泣いたでしょう [02:02.17]悔いたでしょう 徒花(あだばな)の様に [02:05.49] [02:05.83]いつもいつもあなただけを [02:08.29]待ち続け乍ら [02:10.43] [02:10.70]枕辺(まくらべ)で嘯(うそぶ)き詠う [02:13.36]籠の片隅(かたすみ) [02:15.70] [02:16.17]手風琴の悲しげな調べに [02:23.36]鏡に映る姿を重ねた夜深し(よふかし) [02:30.60] [02:42.08]この唇はもう [02:47.04]常空言(つねむなこと)に汚(よご)れた [02:51.85] [02:52.09]穢れを宿す私をあなたは忘れましたか [03:01.32] [03:01.59]あなただけを あなただけを [03:03.98]幾年(いくとせ)ずっと 枯れてなお [03:07.60]散ってなお 想ひ続けよう [03:11.05] [03:11.34]ずっとずっとあなただけを [03:13.82]待ち続け乍ら [03:15.95] [03:16.22]今日もまた指切り眠る [03:18.90]花の様に 美しく [03:23.84]いつまででも… [03:30.91] [03:31.14]あなただけを… [03:37.04] [03:38.71]花の異香(いきょう) 葡萄染(えびぞめ)の [03:42.66]袂 夜に咲いて [03:49.67]